たから荘は個人的な評価だが、「運気好転の宿」である。以前川崎に勤務していたときのことである。スタッフの女性のご主人が急なリストラに遭い、さらに高校生のお子さんがケガ、中学生のお子さんがいじめに遭うという八方ふさがりになったと聞いた。
そのときは四月の下旬で、気分転換にGWに温泉に行きたいのだが、今からでは・・・と。そこで、紹介したのがこちらの宿。
無事に予約が取れ、一泊ゆっくりされたことで、気分転換ができた由。するとGW明けに、ご主人の転職がソッコーで決まり、いじめが解決に向かったというのだ。
以来、小生にとっては「運気好転の宿」として、疲れてボロボロになったら行こう・・・なんて。実は、今回は運気を好転したい状況ではあった。
さて、それはさておき、まずは食事から紹介する。前回来たときは、兜造りの方の古い座敷(上左写真)で座っていただいたが、今回は畳の広間に椅子になっていた。
ちょうどお気に入りの宿「吾妻屋」もそうなっていたし、時代かも・・・で、肝心のメニューだが、山の幸を中心としたヘルシーなもの。
刺身などはなく、刺身こんにゃくが出る。ただ、品数の多さと、天ぷらなどは揚げたてで持ってきてくれるところは素晴らしい。
また、前回は食事のときに案内してくれた若旦那が社長になった由で、天ぷらなどは奥さんが案内してくれたが、ホスピタリティが素晴らしい。
豪華なものでなくてもハートを感じる料理は、とても気持ちが暖かくなるし、美味しいものである。美味しいといえば、こちらのヤマメも抜群に美味しかった。
そしてメインはすき焼き風の鍋。そして、ご飯の前にはこちらの十割そばが出るのだが、これにはもう・・・参った。そば湯も抜群に美味しかったぞ。
部屋数も、事実上五室で運用しているようだ。現在の社長は三代目で、今の社長の祖父が、少し上流の温泉を引いてきて、始めたお宿という。
日帰り温泉や昼食も対応していて、宿泊以外での利用も可能だ。今回は、ビールとともに秘湯ワインをいただいたが、二人でのお会計合計は、嵯峨沢館の一人分の基本料金にしかならなかった。
だが、断言しよう。このお宿の魅力は値段ではない。自然に癒され、スタッフに癒されるホスピタリティが醸し出す幸せ感だと。
今回こちらの宿には、お子様連れもいらしていたが、子供たちの元気な声がまたスパイスになったような・・・カップルはもちろん、ファミリーでもおすすめである。