この夏の参院選では与党は議席を減らしたものの勝利宣言をしていた。では野党は・・・といえば、立憲民主は倍増したが、与党に言わせると勝利ではないとか・・・
詳細は控えるが、某テレビ局ではもっとたからかに、敗北したのは旧民主党・・・なんて言っていた。
小生はここで民主党がどうとか自民党がどうとか言うつもりはない。言いたいのは、「数字の評価は言ったもの勝ちだ」ということだ。
というところで、トップ写真をご覧いただこう。この数字はIMF統計の国民一人当たりGDPの伸び率の実績である。
政権ごとに長短があるので、単純評価するわけにはいかないが、なかなか興味深い数字が出ている。
以前もこのブログで取り上げたことがあるが、日本ではGDPについてはよく議論するが、一人当たりGDPについてはなぜかまったく話題にならない。
GDPについて議論するよりも、一人当たりGDPの方がより生活実感を表すのは自明の理だし、今の日本がアジアにおいても決して裕福な国ではないこともわかるのだが、与党はもちろん野党もまったくこのことに触れない。
さて、これは加工された数字ではないのだが、過去の与党政権はもちろん、首相から悪夢のようなといわれた民主党政権のときの数字と比べても、今の政権の実績が図抜けて悪いことがわかる。
「そんなバカな・・・」平成になって最高の賃金上昇率とか、いろいろ聞いているが・・・と言われる向きもあろう。
からくりは簡単だ。今の株高などは、ほぼすべて極端な円安政策によってもたらされているからだ。テレビなどを見ていても「円安はいいこと」というトーンで語られるが、正しくは「輸出産業にとっては」であり、輸入にとっては逆なのは言うまでもない。
視点を変えよう、円安とは日本のお金の価値が下がることであり、たとえば3割円安になったとすれば、給料が3割上がってようやく、海外レベルではチャラということになる。それだけ上がらなければ、一人当たりGDPは下がることになる。
現政権になって6年、今ではすっかり円安も当たり前になっているが、ガソリンなども高い水準で推移しているので、麻痺してしまっているかも・・・
一泊300ドルのホテルを例にとれば、1ドル110円として33000円だが、80円なら24000円となり、9000円の差が生じる。3万ドルの車なら90万円も高くなっているのだ。
これがトップ画像の中身だ。さて、国内だけに目を投じれば、現政権の言っていることに間違いはない。だが、ガソリンのみならず輸入なしで生活のできない現代において、生活向上の実感があるかどうか・・・このあたりは各自の評価に委ねよう。
改めて言いたいのは、数字の評価は言ったもの勝ちであり、それが正しいかどうかはちゃんと見極めなければいけないということだ。
とたまに真面目な小生でした・・・