さてさて、安倍首相の辞意の表明から、たちまちポスト安倍に向けての動きが盛んになったが、あっという間に菅氏圧勝という空気が醸成されている。
辞任表明から岸田氏・石破氏の二人の立候補は早くから表に出ていたが、菅氏については、正式な出馬表明などまったくない時期から、各派閥からの支持が相次ぎ、8月末には菅氏圧勝というトーンでテレビ各局のワイドショーなどは報道していた。
個人的な意見ではあるが、今回もまた永田町の論理だけですべて決まってしまうのかと。
辞任表明の時点で名前の挙がっていた、茂木氏・河野氏・野田氏・稲田氏・下村氏などは気が付けばすべて立候補せず、残るは岸田氏・石破氏だけとなった。
個人ごとに候補者について是非を記すつもりはさらさらないが、岸田氏の掲げる「分断から協調へ」というメッセージについて、禅譲を期待しながらも、はしごを外された思いがこもっているように感じるのは小生だけだろうか。
また菅氏が立候補を表明する以前に一部の記事では、派閥の要請とか石破氏封じなんて言葉も踊っていた。
小生の周囲でも「石破だけは嫌だ」とか「菅はありえない」なんて言葉が飛び交っている。ただ、あきらかなことは、今回の総裁選はほとんどすべての国民にとって、参加する機会はまったくないということだ。
小生の祖父は自民党員だった。ガキだった小生が、祖父が当時の総裁選にどのような投票行動をしたのか知りようもない。
だが、結果はともあれ、党員の投票は総裁選への貴重な参加機会であるにも関わらず、今回は省略するという。
緊急事態だからという説明も理解できなくはない。だが、その決定により、これは「石破封じ」だとの懸念を持たれてもいたしかたないだろう。
過去の選挙結果によれば石破氏が党員投票では強かったという実績があるが、それは少なくとも「当時の自民党員の民意」という見方はできないだろうか。
誤解を避けずに弁明しておくと、小生が石破氏を支持しているからというのではなく、この仕組みはフェアではないと感じるからだ。
もちろん、今回党員投票をやったとして、それがどのような結果になるかはわからない。ただ、党員であっても選挙にはほとんど参加できないというのは、民意の反映とはいえないのでは・・・と。
新内閣が誕生し、その支持率がどんなものになるかは気になるところである。
まだ噂の段階だが、官房長官に小泉進次郎なんて話もあるやに聞く。そうした目玉人事で支持率がハネ上がるとしたら、やはりこの国の国民は・・・だ。