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Channel: アモーレ・カンターレ・マンジャーレ
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ひるおびの八代発言から思い出したこと

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さて、菅首相の不出馬発言以来、テレビは自民党総裁選一色になっているが、まだ本当の総裁選がスタートしていないにも関わらず、総裁選そのものよりも完全に衆院選の自民党広告的な色合いになっている。

 

 そのせいか、世論調査では自民党の支持率が上がっているようだ。そんな中、ひるおびでの八代弁護士の発言が波紋を呼んでいる。

 曰く、衆院選での野党共闘について彼は、「共産党はまだ『暴力的な革命』っていうものを、党の要綱として廃止してませんから。よくそういうところと組もうって話になるな、というのは僕には個人的には感じますね」とコメントした。

 

 まず客観的な事実として、共産党の綱領にそのようなことはまったく書かれていない。にも関わらず、彼は堂々とこのように発言したのだ。

 もちろん、これに共産党もすかさず反論、こちらの記事にあるように番組内で謝罪することになった次第。

 

 さらに、この謝罪の中で彼は、政府が20年6月に共産党は暴力革命の方針と認識しており破防法に基づく調査対象だとする答弁書を閣議決定したことを元に、「私の認識は閣議決定された政府見解に基づいたものでした」と釈明した。

 閣議決定により、共産党は破壊活動防止法の調査対象となっていることが根拠と。

 

 この流れで、記事にあるように、ひるおびのスポンサーがとりあえず一時見合わせとなるなど、余波は広がっている。

 さて、そこで小生がこの一連のことで思い出したのが、高市氏が総務大臣時代に「政治的公平性を欠く放送局は放送停止もありうる」と発言した問題。

 

 この記事によれば電波を止めるとは言っていないとの弁明もあるが、少なくともこの発言が機になり、テレビ局各社の報道姿勢に影響を与えたことは感じられた。

 放送局が政治的公平性を保つことを法律で求められているのもどうかとは思うが、少なくともこの「ひるおび」の件は、政治的公平性を欠くと言えるのではないのかと。

 

 ところが、個人的な見解だが、高市氏の発言以後の対応については、政権に対する批判的な報道には抗議が政府から来るが、野党批判の報道に対しては来ない。

 それも含めて政治的公平性というのが筋論だと思うのだが・・・

 

 明治生まれの小生の祖父は、共産党に対し、「あいつらは国賊だったんだぞ」とよく言っていた。戦後の教育もあり、我々の頭の中には資本主義が正義で共産主義は悪みたいな心象が根付いている。

 そういう頭の中に、漠然と共産党は悪みたいな基礎があれば八代弁護士の発言をすんなり受け入れる人も少なくないはず。

 

 我々は、自分の中にある価値観や物差しをもう一度見直すべきかも知れない。


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