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Channel: アモーレ・カンターレ・マンジャーレ
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柳家三三独演会 夏

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小生お気に入りの噺家の一人、柳家三三の独演会が先日中野ゼロホールで行われるというので、出かけてきた。

 考えてみると、三三を聞くのはずいぶん久しぶりのような気がする。調べてみたら、昨年末の市馬落語集以来だった・・・
 むむむ・・・これはずいぶんご無沙汰であった。今回も楽しみであるが・・・とやってるそばから開演。まずは開口一番、小かじの登場。


 ネタは「子ほめ」であったが、口調はまだ少しのところはあるが、声もよく出ていて、素直な感じがよい。
 誰のお弟子さん? と思ったら、三三の弟子とのこと。まだこれからだが、なんとなく将来に期待できそうな・・・

 さて、いよいよ三三の登場。まずは・・・まったりと語りながら始めたのが、おお「転宅」だ。三三のそれは、以前も聞いたことがあるが、独特の空気が楽しい。
 締め込みなんかでもそうだが、三三の泥棒に、人柄が出るというか・・・おまぬけな感じがたまらない・・・

 キッチリ楽しませてくれたところで、そのまま二席目に入る。今度の噺は・・・おっ、「千両みかん」だ。夏でもニュージーランド産のみかんなどが手に入る今では、なんともやりにくくなっている噺だが・・・
 そこはそれ、三三のこと。しっかりとした組み立てで楽しませてくれた。

 さて、中入り後トリの三三、何をやるのか・・・と思ったら、おお「五貫裁き」だ。考えてみると、三三って政談ものが好きなようだ。
 もちろん、これまたキッチリとした三三流でバッチリ。さすがに三三であるが・・・帰り道に、ふと思ったことが・・・

 というのも、「五貫裁き」の徳力屋の番頭とか、「千両みかん」の番頭を思い出しながら、番頭の悲哀を感じてしまったからだ。
 封建社会の仕組みとして、主人と番頭との間には大きな差があるのは事実。差どころではない、大きなものだ。

 翻って、今の会社などでもまったく同じだ。長とその下ではあまりに理不尽なくらいの差があり、いかんともしがたい。
 万年番頭のごとき小生、能力のなさは自認こそすれ、いつかは長に・・・と思いつつ、もはやそれもかなわぬこととなった。

 だけに、彼ら番頭の思いがリアルに思えるのである。さて小生は「百年目」の番頭にでもなろうかしらんって。
 あ、話がそれた。ますます充実してきた三三。これからの熟成がさらに楽しみである。

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